「Be my baby」-07 ------------------------------------------------------------------------ 「来いよ」 ベッドの端に腰掛けたジンが言う。 そう言われると、ますます気恥ずかしくなり、 入り口付近に佇んで視線を泳がせる。 「何やってんだよ、今更緊張してるのか? そんな風にしてるとお前‥‥処女みたいだぞ?」 笑いを含んだ声で言われて カイトはカッと顔を火照らせる。 口を開いて抗議しかけるが、言葉が出ない。 「いいから早く来いよ。もう子供じゃねぇんだろ?」 なけなしのプライドを擽られ、おずおずとベッドへ向かう。 ジンの前に立つと包み込むような目で見つめられ、 優しく手を取られたかと思った途端 強引に引き寄せられてベッドに仰向けに倒される。 ジンがまっすぐに見下ろしている。 瞳の奥を覗くように見つめ返すと、唇を塞がれた。 すぐに重い舌が分け入ってきて、強く吸われる。 舌を絡め取られ深く蹂躪されると頭の芯がぼぅっとなる。 大きな手が所有を味わうように服の上から全身をまさぐる。 触れた箇所から火がついて、カイトは熱を帯びてくるのに任せるが しばらくするとその手が敏感な部分は避けていることに気づく。 口内を犯されながら、無意識のもどかしさに熱い息を吐くと、 いきなり薄い布の上から胸の突起を摘み上げられた。 「んくぅっ!‥‥んっ‥‥んんっ‥!」 痛いほどに弄くりまわされて、声を直接ジンの喉に送り込む。 息苦しさに耐えられない。顔を背け肩で息をするが 休息は長くは続かなかった。 ジンの手が体を巡ったかと思うと、くるくるとあっと言う間に 衣服を剥ぎ取られる。その早業にカイトは抗う余裕も無い。 体は昂ぶりつつあるが、展開の早さに頭がまるでついていってない。 理性を保った状態で一糸纏わぬ姿にされて カイトは慌てて毛布にすがりつくが、それもあっさり奪われる。 足首を掴まれ、大きく開かれる。 カッと全身が燃え立ち、逃れようと躍起になるが ジンは、カイトの体の要所要所を器用にキメ込んで、 添える程度の力で拘束しながら自由を許さない。 ジンを相手に物理的な抵抗が無駄なことくらい、よく分かっている。 諦めて、すでに敏感になっている部分への愛撫を予測し 固く目を瞑る。しかしいつまでたってもその気配がない。 ‥‥‥‥? ‥あ‥‥‥‥! ジンの意図を察したカイトは再び身を捩じらせるが、体はしっかりと 固定されて、局部に痛いほどの視線を当てられる。 「嫌だ‥‥お願い‥‥!」 こんな言葉を吐くのは本意ではないが、他に方法は無いし カイトは解放を確信していた。今まで閨での哀願が 聞き届けられなかったことはない。 しかし今日は、カイトの願いは受け入れられるどころか さらに腰を高々と持ち上げられて、大きく広げられた 中心に視姦が続く。 嫌だ‥‥こんなの、嫌だ‥‥! そう心に叫びながらも、昨日までとは全く別人の顔を見せ 明らかに昂ぶっているジンに、今まで自分がいかに 忍耐を強いてきたかを知って歯を食いしばる。 目を固く閉じても、ジンの焼け付くような視線の移動がつぶさに分かる。 思考に反して反り返り、すでに愛液を漏らすカイト自身と まだ痛々しいほどに幼気で、色を持たない蕾を 質量の無い触手が存分に弄ぶ。 じんわりと腰から痺れが広がり、何を求めてか ヒクヒクと蕾が震えるのが自分でも分かる。 「‥‥ふっ‥‥‥‥う‥‥」 声が漏れる。 いくら止めようとしても、カイトを知り尽くし攻め立てるジンの指と舌を 想像してしまう。体が勝手に思い出し、それを求めてしまう。 白濁の液が止め処なく流れるのを、やっと膝裏からはずしたジンの指が そっと掬う。 「ひゃあっ!!ああっ‥‥!」 敏感になりすぎてるところに突然の刺激を受け、背中が飛び跳ねた。 「おいおい‥‥まだ何にもしてないぜ?」 楽しげなジンの口調に恥辱にまみれ、顔を背けると ジンが両足を解放した。 ‥‥やっと‥‥‥‥ 痺れと共に羞恥が麻痺して、ジンが手早く衣服を脱ぎさるのを ぼんやりと見つめながらカイトは甘い期待を抱くが 首裏に手を差し込まれ、ぐいと身を起こさせられる。 ‥‥!? 目の前に突きつけられた塊に思わず怯むのを 頭の後ろに添えられたジンの手が押し止める。 「‥‥楽しませてくれるんだろ?」 ジンの声は低く甘い。 『俺がジンさんを、楽しませられないから‥‥』 激情に任せて口走った己の言葉が呪文となって カイトは吸い寄せられるように口に含んだ。 まだ柔らかさを残していたそれは、カイトがおずおずと舌を 這わせると、徐々に口内を圧迫する。 ジンの猛る様を直接知ることに嬉しさを感じ限界まで飲み込むが すぐに喉に突き当たり、その半分も受け入れることが出来ない。 それでも必死で舌を使い、根元に震える手を添えて握り締める。 しかし圧倒的な存在を中に含んで愛撫するには 如何せんカイトの口は小さく稚拙すぎた。 「いてっ‥‥ててっ‥‥歯、たてんなって‥」 ジンの声に慌てて顔を離して見上げると、ジンは可笑しくてたまらないと いう風に喉を震わしている。 その平素と変わらない様子にカイトも素に戻り、上目遣いにか細い声を出す。 「ご‥‥ごめんなさ‥‥」 「いや‥‥いいけど。要特訓だな」 まだ顔に笑いを貼り付けたジンに、両脇の下に手を差し込まれ 体を持ち上げられる。 カイトの足が納まり所を探してバタつくが、結局あぐらをかいた ジンの腿をまたぐように広げてしまう。 向かい合う気恥ずかしさに顔を伏せるが、背後に回された指で 谷間をなぞられると、首を仰け反らせて喘いだ。 巧みな動きはすでに潤っている入り口を易々と広げ慣らしていく。 「ん‥‥あんっ‥‥」 腰が密着し、お互いが擦れ合う初めての刺激と 徐々に速さを増すジンの指に加え、胸にも舌を這わされて 息も絶え絶えに艶かしい声が漏れる。 「あぁっ‥‥あ‥‥ん‥‥!」 自分の体が揺れているのは、ジンの動きによるものなのか 求めて己が動いているのか。 いつの間にか待ち望んでいた刺激を貪り 次第に混濁してくる意識を保とうと、すがりつくように ジンの首に腕を回すと、腰に回された手がカイトの体を 持ち上げ、不安定な姿勢のままあてがう。 そしてジンが腕の力を抜くと自重で一気に先端を飲み込んだ。 「ひっ‥‥!」 短く悲鳴をあげる。 普段と全く違う場所が擦りあげられ呼吸を止めると すぐに力強い腕がしっかりと体を支え、それ以上進むのを 押し止める。 「痛むか?」 気遣う声が疎ましい。思うままに振舞っているように見せかけて まだ手加減しているジンに苛立ちを覚える。 手を振り解こうと体を捻ると、わずかにジンの頬が苦痛に耐えるように 歪むのを見た。嗜虐の心がカイトに芽生える。 捻った体を戻す振りをして、今度ははっきりと意図して 中に咥えたものを擦りあげる。 ジンの腕が緩み、ズブズブと飲み込む。 「う‥‥んっ、あっ‥‥」 突き抜ける快感を必死で堪えながら、ぎこちなく腰を動かす。 そんなことをすれば自分もただでは済まないが ジンの本気が見たかった。 「‥‥ふっ‥‥‥」 一つ荒く息をついて、ジンは片手を後ろにつき 薄く目を閉じ、ゆっくりと頭を反らせる。 それを見て、カイトはさらに必死で体を上下させる。 自らが誘う刺激に眉間に皺を寄せ、唇を噛み締める。 肉が繋がった部分より、その媚態がジンを 高めていることにも気づかずに。 「ふぁ‥‥気持ちぃ‥‥‥たまんね」 ジンはまるで風呂につかるようなのんびりとした口調で言うと 軽く腰を揺する。 「ああぁっ‥‥!!」 たった一突きで、小さな悪巧みが吹き飛ばされる。 しかしミイラ取りがミイラになって、カイトは揺らめく自分の 体を止められない。 「ぁあっ!!ああっ‥ん‥‥!はぁ‥っ‥!」 自分のものと思えない嬌声が部屋に響き渡る。 その声がジンの頭にも響いていると思うと気が狂いそうに 恥ずかしいが、体に入り込んだ淫靡な蟲が蠢いて 勝手にカイトの喉を震わす。 「やだ‥‥っ、もぅ‥‥」 淫らな自分を嫌悪して目尻に涙を溜めて訴えると、ジンは身を起こして カイトの背を支え、そのまま組み敷いた。 何も言わずに突き上げる。手を前に回して擦りあげる。 「んんっ‥‥あ‥‥んっ‥‥!」 ジンの重みに安堵して猥雑な感情が収まる。 のしかかる肩を握りしめ、目一杯に受け入れる。 絶頂が近い。体を反らせて迎え入れようとすると、 突然ジンの手の動きが止まり、カイトの根元をしっかりと押さえた。 「‥‥なにっ‥‥やだ、やだ、やめて‥‥!」 今にも爆ぜそうな快感を押し止められ、訳が分からずその手を 払いのけようとするが、捻りあげられ頭上に押さえ込まれる。 「こうでもしねぇと、また一人でぶっ飛んじまうだろ」 ジンはそう言うと、容赦なく打ちつけてくる。 「んあぁっ‥‥ああぁっ!!」 捻じ込まれ、突き上げられる。 肉が叩きつけられる猥褻な音が耳に響く。 重機に打たれるような重い衝撃にカイトの体は鞠のように跳ね 意識が弾き出されそうになるが、堰き止めるジンの指がそれを許さない。 ガクガク揺れて体内が攪拌され、目が虚ろになる。 呼吸は止まり、もう声も出ない。 「もうちょっとだから‥‥我慢しろ」 遠くに息を詰めたジンの声が聞こえる。 ジンの動きがさらに激しく小刻みになり、一際深く貫かれる。 「うくぅ‥‥っ‥!」 痛みを感じ声が漏れた瞬間、ジンがカイトを解放した。 体に籠もり蝕んでいた熱が一気に迸る。 「‥あぁっ!あ―――――っっ!!」 絶叫と共に意識が離れ往く時、ジンが体を震わせ己の中で爆ぜるのを 確かに感じた。 →Next                       (040410) ------------------------------------------------------------------------ →裏トップ