「カルビ」 ------------------------------------------------------------------------ 「二名でお待ちのジン=フリークス様ー。 お待たせしました、お席にご案内しまーす!」 「案外早かったな」 「そうですね」 「よりによって週末に来ちまうとはなー。 曜日の感覚がなくなってるよな‥‥」 ガタガタガタ 「オシボリどうぞー。お熱いのでお気をつけくださーい」 「どーも」 「あ、どうも」 「お飲み物のご注文がお決まりでしたら承りまーす」 「中生」 「生ビールの中サイズおひとつー」 「うんと‥‥ウーロン茶」 「あとウーロン茶」 「ウーロン茶おひとつー。以上でよろしいですかー?」 「‥‥ああ」 「では少々お待ちくださいませー」 「まずはカルビとタンだよな‥‥お前は?」 「んーと‥‥‥‥これ‥豚トロ、と、コレ、食べたいです」 「ん。お前壷漬カルビ好きだなー。気に入ったか」 「はい。美味いです」 「そっか。‥‥あー腹減ったな」 「そうですね」 「中生とウーロン茶お待たせしましたー。ご注文お決まりでしたらどうぞー」 「‥‥壷漬カルビ4枚‥‥‥特選カルビ3つとー、豚トロ3枚な。 あとこのネギタン塩焼4枚。ホルモン2枚。ユッケひとつと‥‥スープどれだ?」 「えと、これ‥‥えーと、ユッケジャンスープ」 「ユッケジャンスープとー、ライス1つな。食うだろ?ライス」 「はい」 「それと中生もう一杯」 「以上でよろしいですかー」 「あぁ、うん」 「ご注文繰り返させていただきます。壷漬カルビを4つ、特選カルビを3つ、 豚トロを3つ、ネギタン塩焼4つ、ホルモン2つ、ユッケをおひとつ、 ユッケジャンスープをおひとつ、ライスをおひとつ、生ビール中サイズおひとつ。 以上でよろしかったでしょうかー」 「うん」 「では火を点けさせていただきまーす。テーブルの上お気をつけください。 ご注文の品すぐにお持ちいたしますので少々お待ちくださいませー」 「鎌、どれくらいになった?」 「んー‥‥これくらい」 「お、大分デカくなったじゃねぇか」 「はい。玄関先の垣根、刈れました」 「そっかそっか‥‥(だからあんなヘンテコな形になってたのか‥‥;) 前は庭の草刈りがやっとだったかなら。ペースとしてはいいんじゃね?」 「あ、はい」 「‥‥‥‥‥」 「‥‥なんですか?」 「いや‥‥」 「え、何笑ってるんですか?‥‥鎌って変でした?」 「鎌はいいんだけどさ‥‥威力に比例して武器がでっかくなるってのが‥‥」 「え、それって変なんですか?普通は違うんですか??;」 「まぁ普通は‥‥でも、わざとデカくしてってるわけじゃねぇんだろ?」 「うん、はい。出すたびにどんどんデカくなって‥」 「‥‥‥‥」 「そんな可笑しいですか?‥‥変ですか?;;;」 「いやまぁいーよ、分かりやすくて。すげぇお前らしい」 「‥‥‥‥」 「誉めてんだぜ?」 「‥‥‥はぁ」 「生ビールお待たせしましたー!ユッケジャンスープとライスと ユッケでございまーす。前失礼いたしまーす」 ガチャガチャガチャ 「後の品、もう少々お待ちくださいませー」 「いただきまーす」 「んー」 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」 「どうした」 「‥‥‥‥‥‥‥‥辛い。これ」 「何だ、知らないで頼んだのか」 「‥‥‥‥‥‥」 「おい、注文頼む。コムタンスープ一つな」 「はい。かしこまりましたー」 「おい、それこっち寄こせ」 「‥‥はい。‥‥‥コムタンスープって辛くないんですか」 「うん、塩味。‥‥‥んな辛くねぇじゃん。美味い」 「‥‥‥‥辛いです」 「そっか」 「特選カルビと壷漬カルビ、コムタンスープお待たせしましたー」 ガチャガチャガチャ ジュッ‥‥ジュジュー‥‥ジュー‥‥‥ 「玉ねぎなんていーから肉焼け、肉」 「はい」 ジュジュ‥‥ジュジュー‥‥ジュー‥‥‥ 「豚トロとネギタン塩焼お待たせしました。 こちら、ホルモンになりまーす」 「追加頼む。壷漬カルビ3つ」 「かしこまりました。追加で壷漬カルビが3つー」 「あの、あと、ライス」 「ライスがおひとつー。少々お待ちくださいませー」 「‥‥お前、ライスばっか食ってんじゃねぇか。焼肉屋来てんだから肉食えよ肉!」 「はい‥食べてます」 「ほらそこ、焼けてっから食え。豚トロ焦げてるっ」 「‥‥は、い」 「慌てなくていいから。‥‥だからライスじゃなくて肉食えってっ! あ、追加な。特選カルビ3枚」 「追加で特選カルビが3つー。少々お待ちくださいませー」 「ジンさん、3皿食えますか?」 「俺はもういいよ。ビール飲んだし」 「俺ももう食えない‥‥‥」 「もう腹いっぱいっ!? ったく、飯ばっか食ってっからだろー!」 「‥‥‥ご飯、美味いです。ちょっと肉乗せてから食うと、 タレと肉汁で味ついたとことか‥‥」 「‥‥まぁ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥好きなように食え;」 「火、消していいですか」 「うん。腹いっぱいになったか?」 「はい。もー食えない‥‥‥水も無理‥‥」 「カイト」 「‥‥はい?」 「美味かったか?」 「はい、すごく」 「そっか。‥‥‥‥よかったな」 end.                     (040808) ------------------------------------------------------------------------ →トップ